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GDP認証とは何か|医薬品輸送に求められる国際品質基準を解説

  • 22 時間前
  • 読了時間: 4分

GDPとは何か GDP(Good Distribution Practice:適正流通基準)とは、医薬品の品質と安全性を流通過程全体にわたって保証するための国際基準です。製造から患者への投与に至るまでの輸送・保管・取り扱いにおいて、医薬品の品質が損なわれないことを確保するために定められています。


GDPはWHOが策定したガイドラインを起点に国際的に普及しており、EUは2013年に同基準を法的枠組みとして整備しました(EU GDP Guidelines 2013/C 343/01)。現在では医薬品の国際輸送において事実上の業界標準となっています。


なぜGDPが必要なのか

医薬品、特にバイオ医薬品・生物製剤・再生医療製品は、温度・湿度・光・振動といった環境要因に対して非常に敏感です。輸送中に温度逸脱が発生した場合、製品の有効性が低下したり、安全性に問題が生じたりするリスクがあります。


GDPが必要とされる主な背景は以下の通りです。バイオ医薬品の急速な普及により、抗体医薬品・細胞治療製品・遺伝子治療製品など厳格な温度管理を要する製品が増加しています。グローバル治験の拡大により臨床試験のサプライチェーンが国際化し、複数国をまたぐ輸送が標準化しています。またFDA・EMA・PMDAなど各国規制当局が輸送業者にGDP準拠を求めるケースも増加しています。

GDPの主な要件

GDPの主な要件は以下の通りです。品質マネジメントシステム(QMS)として全プロセスの文書化と逸脱時の対応手順の整備が必要です。人員・教育訓練として定期的なトレーニングと記録保持が求められます。施設・設備については温度管理倉庫・輸送容器等の定期的な校正・検証(qualification)が必要です。輸送中・保管中の継続的な温度記録と逸脱時の報告・調査も必須です。また外部輸送業者のGDP準拠を契約上で担保し、定期監査を行うことも求められます。


GDPとGMPの違い

GMPは医薬品の製造工程・品質管理を対象とした基準です。GDPはその「製造後」における品質保証の延長として位置づけられ、流通・輸送・保管を対象とします。製造時にいくら品質を管理しても、輸送・流通段階で品質が損なわれれば意味がありません。


Annex 7(生物製剤の輸送)について

生物製剤・血液製剤・ワクチンなどの温度感受性製品の輸送には、Annex 7(EU GDP Annex 7)という補足ガイドラインが適用されます。輸送ルートおよび使用容器の事前検証(Transportation Lane Qualification)、コールドチェーンの全区間にわたる連続温度記録、外部輸送業者のGDP監査要件などが特に強調されています。


日本におけるGDPの状況

EUではGDP認証が法的要件として義務化されているのに対し、日本では薬機法に基づく「医薬品の適正流通基準(J-GDP)」が存在しますが、現時点では輸送業者への強制適用は限定的です。しかし実務上、外資系製薬会社やCROが輸送業者にGDP認証を要求するケースの増加、再生医療分野の規制強化、国内製薬会社のグローバル化などから、GDP認証の重要性は急速に高まっています。


THERMAL™のGDP対応

株式会社ハブネットのバイオ医薬品輸送部門「THERMAL™」は、WHO GDP認証を継続取得しています(2025年11月取得継続)。自社通関チームによりチェーン・オブ・カストディを完全に保持します。平和島事業所の医薬品専用倉庫はGDP準拠の温度管理倉庫で、+2〜+8℃、+15〜+25℃、-20℃、-80℃に対応しています。シングルユースデータロガーによる輸送中の連続温度記録を標準提供しています。

よくある質問

Q. GDP認証を持っていない輸送業者を使った場合、何かリスクはありますか?


輸送中の温度逸脱が発生した際の原因調査・責任の所在が不明確になるリスクがあります。EU向け輸出や外資系製薬会社との取引においてGDP認証が要件となっているケースでは、取引上の問題になる場合があります。


Q. GDPとISO 9001の違いは何ですか?


ISO 9001は業種を問わない汎用的な品質マネジメントシステムの規格です。GDPは医薬品の流通・輸送に特化した業界固有の基準であり、温度管理・医薬品固有のリスク管理・規制当局への対応が含まれます。


Q. 治験薬(IMP)の輸送にもGDPは適用されますか?


適用されます。EU規制では治験薬の輸送にもGDP準拠が求められています。特に国際多施設共同試験では、複数国の輸送業者がそれぞれGDP準拠であることが要件となる場合があります。


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